囚人番号23に寄せて

 

 

※少年たちに入れ込みすぎた西畑担の感想文+記憶の記録文

※ニシハタ登場シーン以外は端折ってます

※一個人の曖昧な記憶と勝手な感想

 

 

 

突然の金髪アイランド。事前情報0もいいとこで、13クリパ脱帽*1の50000倍腰抜かしました。あれは着物姿で初見したかった

 

私自身は断固として黒髪重め前髪担だったはずなんですが*2、8月が過ぎ行くにつれ金髪が愛しくて愛しくて震えながらステフォに思いの丈をぶつけるしかない非力ヲタクになっていました。ちょうど染め直した日の公演も入ってたんですが、前髪ともみあげの長さに気を取られすぎて茶髪の概念を忘れていました。純金髪でのMD5オフショを残してくれた大橋和也さん(画角的に多分そう)にありったけの感謝を込めて初めて大西永瀬以外のフォトを複数買いするなどしました。舞台に映えるとはこのことかと実感したり、対照的な3年前の痩せ細った黒髪囚人を思い返してしみじみしたり。綺麗だったな〜。非常に儚さのあるビジュアルなのに、殺陣のシーンでは雄々しい力強さを感じさせるところがさすがの演じ方だなあと終わってから感心してしまいました。

 

 

 

opening

 

扇からスモークとバックライトと共に登場。水色・金・青地の着物に白袴、白襷。ツヤたっぷりの金髪。絵画よりも繊細で、3Dよりも立体的で瞬きしてる暇なんてないのについ目を擦ってしまった   

 

いつか、近い未来で西畑くんには殺陣を基礎の基礎から学んでそれを披露できるような仕事をして欲しいです。人に向けて刃を構えた瞬間の張り詰めた空気を作り出す力と指先・眼・呼吸の繊細さはどう考えても殺陣向きの演技だと思うんですけど!どうなんかな!SHOCK観たときも真っ先にガッツリ殺陣舞台やって〜〜って懇願してました。だって西畑くん、殺陣の技術得たら完璧やん。今や梅芸青年館TDC大阪城ホール両国国技館、果てには日本武道館まで何十公演と推し俳優の殺陣を観に行くオタクに成り果ててしまったので西畑くんが刀を我が身のように使いこなす現場が来てしまったら最早この身滅びてもよかろうと冷静に想像しました。社会的に死んでも通ってそう

 

 

今も昔も、俺たちは夢を追い人を愛し続ける。いつの時代も繰り広げられる無意味な争い。誰かのために命を落とす者もおれば、それで救われる奴もおる。

 

俺たちの心は今も燃え続けているんだ!この狭い世界に閉じ込められた俺たちは、争うことでしか、この怒りを鎮めることは出来ないんだ!

 

 

15は後半部分をニシハタ(前半部分を看守ニシハタ*3)、17は前半部分をニシハタが台詞として担当しました。18は白幕白字タイトルをバックに、白袴の西畑大吾が刀を携えながら一点をみつめ、腹の底に響き渡る低音で全文を語ります。
この狭い世界〜、から徐々に眉間には皺がより始めます。台詞の言葉通り、怒りの矛先を見失い葛藤する1人の少年ニシハタへと変身する瞬間がここなのかもしれません。
ニシハタの手で振り降ろされた刀による2018年版少年たちの幕開けです。

 

 


塀の中の少年たち


そこから流れ始めるいつものイントロダクション、Don't stop〜♪…

 

 

しない!時の彼方、やらない!!Fightしない、謎バルコニーでThe Night in New York歌わない。早速ここで関西アイランド時の悪い予感が的中する。流石に時の彼方はあった方が良くない?良くないからないのね…

 

赤青チームのお披露目もとい殴り合いの儀。ニシハタはこの時点でまだいない。飛び込んで来た看守が警笛で諌めるのとほぼ同時に上手扉よりのっそりと姿を現わす。眼光の鋭い目を見開いて、これまた緩慢な動作で暴れ回る仲間たちの辺りを徘徊する。そこに一声、


大西「独房〜?(笑)そんなん青色のアホだけ入れとけばええでしょ!(笑)


オオニシの言葉にピクッと反応したかと思えば、ズカズカと上手から下手のオオニシの目の前へ。真正面から凄むニシハタ。


西畑「そっくりそのままお前に返したるわ!!(ブチギレ)
大西「アァ?!

 

後半は


西畑「大西ィ!そっくりそのまま、お前に返したるわ(笑)

(ヘラヘラ笑みを浮かべる→"返したるわ"で目が据わる、オオニシの肩を掴んで押し飛ばす)

大西「(西畑を睨み上げる)」


へと演技が変わっていました。すぐ後のシーンで述べるのですが、オオニシとニシハタの関係性を考察する上では大きな変更点じゃないかと私は思っています。
気怠げにオオニシから離れるニシハタ。今日のノルマは終わり、とでも言いたげな振舞いで。


今江「此処が塀の中やということを、忘れるな!
赤青『上等やないか!!

 

15,17には無かった台詞。これ、"威勢がいい"感が最高潮に達して大好きです。いい加減にできない少年たち、愛しい

 

♪俺たちは上等

去年までは(15は模範囚/囚人に舐められてるチビ看守だし17は周りと距離置いてるし)チーム一丸でチョケ倒す振付が少なかったニシハタ、上等18青チームver.では本当に多彩な表情が見られるようになりました。


・岡看守を煽るように変顔したり
・今江看守を小馬鹿にするような仕草をとったり
(ファイティングポーズで煽ったり警棒に自らの頭を差し出しほらどうぞ?笑とでも言いたげな表情をしたり)


キスみたいなもん、青チームは片手を掲げ円になってぐるり、そのまま縦一列になってヒョコヒョコ、1番前のニシハタは両手でフワッと投げキス。これゼロズレで観たらキスのタイミングでオオニシがびっくりするぐらい綺麗に被りました。大事なとこは見せてくれないらしい。どう転んでも顔が可愛いからいいや


フジワラ・オオハシとの片ハイタッチも青チームのノリと仲の良さがよく表れていたし、フジワラの方にちょいとはみ出したら思いっきり石投げられて至近距離で打ち返すニシハタと身を守ったまま足掬われるフジワラニシハタもあと5万回みたいくらい微笑ましかったです。中の人が楽しくなりすぎちゃってもうそれ完全に破顔っすよ!みたいな日もあった。獄中エンドレスやん…

 

正義なんて安っぽいものに構わず側転かましちゃうニシハタ。毎度パフォーマンスの機会開いちゃうイメージだけど鈍らず安定してきたよね。見てて危うさは無くなったから安心して見れるのうれしいな

 

よほど地獄👎、あの透き通るような肌とブロンドのさらさらヘアーに赤ちゃんみたいな顔で思いっきり親指突き立てられるの毎回噎せそうになる。ギャップとかそういうレベルの話に収まらなくて、リアルにここの監獄牛耳ってるヤバい奴やん…と西畑担脳から少年たち2018の世界観に誘われました。ありがとう地獄!

 


そして看守長の登場。


西畑「俺の刑務所?アホなこと言うなや」<★1>


2度に渡って腹部を殴打されるニシハタ。


西畑「なんで俺ばっかり…!
向井「お前は此処の秩序を乱しかねない
西畑「なんやとゴラァ!!
大西「ダイゴ!無駄に逆らうな、悪い癖やぞ!

 


関係性が違うから当然なのですが、15のニシハタは青のリーダーをはじめ声を荒げ制しますがすぐさま宥めるように、でも半分諦めたように目を伏せたまま同台詞を言いました。それに対してこのオオニシは語気がかなり強く、青リーダーに対して常から喧嘩腰な赤リーダーなのかと一瞬感じます。ただし決定的なのが、彼は直ぐ側の看守長を無視してニシハタが吼える位置まで踏み込み本気で制そうとしてるんですよね。自らがニシハタを止めようと。そして当然彼も看守長に殴打されます。オオニシにとってニシハタは、決して日々の鬱憤晴らしに睨み合うための相手では無さそうだとこの動作でなんとなく読み解けました。先述した冒頭2人の対面シーンも、オオニシはニシハタが本当に殴り合ってただ暇潰しをしたいとは到底思っていない(むしろその習慣を馬鹿馬鹿しいとすら考えている)であろうことを薄々感じ取っていて、だからこそ軽く突き飛ばされてなお手を出し返さなかったのかなと推察します。流石はリーダーの貫禄かなあ。

 

一旦戻ってしまいますが<★1>の台詞、後半になるにつれて
呆れたようにボソッと吐き捨てる

嘲笑うように、ほぼ煽るような口調
へと変わっていきました。
初期のニュアンスだと、登場時からの全てを諦めたような眼つきと併せて"この塀の中に留まっている以上これからも人間らしい扱いはされない"のだと悟ってしまっている心情が伺えますが、後半では権力に溺れ最早精神を狂わせてしまっているムカイを憐れむような、まるでこの状況を他人事のように捉え嘲笑しているニシハタの姿が印象付きます。個人的にはどちらの演技もこの後のストーリー展開に繋がるのでアリだなと感じました。


この台詞を吐いたあと、ニシハタの側に看守長が歩み寄ります。その気配を感じ取り、ちらりと横目で視界に入れるものの興味なしとでも言いたげに視線を前に戻し気怠げなニシハタ。彼の腹部目掛けて腕を振り上げる看守長。

 

このとき殴られたニシハタを、真っ先にオオハシが抱きとめます。それでもニシハタは素手で看守長へ仕返そうと暴れますが、マサカドがそれを制し看守長へ立ち向かいます。しかしその先を瞬時に読んだ彼は握り締めた両拳を後ろ手にし、静かに睨みつけるだけ。その間オオハシは何度も何度も、ニシハタを宥め介抱しようとします。行け、と命令されてもなお怒りが収まらず微動だにしないマサカドを聡いフジワラが誘導。「立てるか?」と優しすぎる声と表情でニシハタを覗き込むオオハシ。
この時点で既に、ニシハタと他の青チームとの関係性、各々の性格も何となく掴めます。

 

 

 

告白

 

 

 

♪嗚呼思春期

看守長に胸ぐらを掴まれるニシハタ。お前には関係ない!とその手を力尽くで振り解きます。

 


人は誰しも、苦しんだ経験を共有することは出来ても自分以外の人間の苦しみを本当に理解することは一生出来ないのだと思います。引用ツイートの台詞、看守長に対する言葉というよりは、『自分のことなんて分かってなんかもらわれへん』そう言って全てを突き放してしまう若さ(=思春期)ゆえの世界の狭さによる苦しみを、監獄という狭い世界で生きる彼らは二重に背負いながら向かい風へ進むしかない、解放への魂からの願いを叫びと歌に乗せているイメージでした。

序盤は冷えきった目をしているニシハタも、次第に一点を見つめだし瞳に熱が篭りはじめます。

 

 

雄叫びのような、悲痛な嘆願のような

 

 

この台詞を吐いたあと、ニシハタは頭を抱え掻き毟り、苦しげに喘ぎます。しかしその後顔をあげた(向かい風に対峙した)彼は、両手を広げその風を全身へと浴びます。自棄になったか?とまで思わせるほどの立ち姿。曲が止み、スッ…と彼の瞳からは熱も消え、目が据わります。

そこに現れるナガオ。

 

西畑「確か…新入りの…
長尾「ナガオです!

 

最初に目が合ったきり顔を向けようとしないニシハタ。怖がらせているかもしれない、と彼なりの気遣いかもしれません。


西畑「ここにおったらああでもして発散せんと、おかしなってまう

 

ここも演技に変化がありました。
前半はあくまで退屈そうに、あまりになんてことない日常なのだとナガオへ伝えるかの如く。
後半、ニシハタは呆れた表情と低い声でナガオへ諭すように彼の目を見てこの台詞を口にします。

 

私は後者のニュアンスが最高に好きだと思いました。このあとナガオは本当に"何かを変える"行動を起こし、結果的に彼だけがこの監獄で生涯を終えます。『諦め』の境地に至っていたニシハタを掬い上げたのも、命を賭してニシハタを広い世界へ追いやってくれたのもナガオでした。そのはじまりとなるニシハタとナガオ両者の対比を後者の方がより色濃く表現している印象がありました。

 

 

長尾「そんなことのために憎しみあうなんて、なんか…さみしいな
西畑「さみしい?
長尾「うん
西畑「お前…おもろい奴やな

 


この場面のニシハタの機微を目で追い続けたら、♪あいつのぶんも生きるのニシハタがどうしても大切なひとの死をまっとうに哀しみ抜いているようにしか見えません。後々のニシハタにとって、全てを諦めてしまっていたニシハタにとってナガオは無条件に目の前へ差し出されたてのひらそのものだったから。

 

そして遂にニシハタは心の靄である父親のことをナガオに打ち明けられるのですが、家族という形に雁字搦めにされ途方も無くなっている彼をそんなもんとちゃうかなとナガオは丸ごと全て受け止めます。

 

その直後に自分は家族がいない、と告げたナガオをニシハタはこれまでにないほど驚いた様子で見つめます。自分とは異なった苦しみを経て、ニシハタが寄り添いたかった父親という存在の顔さえ分からないナガオが、自らの葛藤に寄り添おうとしている。

 

西畑「お前、やっぱ面白いやつや

 

ニシハタの表情が緩まり、とうとう笑みまで見えたシーンです。

 

 


ライバル

♪Rival -Battle-
終了後、殴り合いをやめない2人の元に赤青の両勢が駆け寄ります。そしていつも通りの乱闘騒ぎ。1幕冒頭シーンと完全に重なるようにニシハタは静かにその場へ立ち寄り、投げ捨てられたホウキをこれも緩慢な動作で拾い上げ元の位置に戻します。*4


乱闘の負傷により足元で丸くなるコジマを抱え上げながら、喧嘩を止めるよう必死に訴え始めるナガオへ真っ直ぐ視線をやります。

 

 

長尾「みんなは大切な仲間や!争って欲しくないねん!
西畑「お前、ほんまお人好しやな
長尾「…そうかな
西畑「でも、お前みたいなやつが何かを変えるんかもな

 

 

今の今まで澱み切っていたニシハタの目に微かな光が灯った気がしました。

 

西畑「…ほら!行くぞ。

長尾「…おやすみっ!

西畑「………おやすみ

 

つっ…着いてく……ってメロりそうになるトーンでつぶやく青チームリーダーニシハタ(しんどみちゃん)、大人の余裕を歴代で圧倒的に感じてしまって胸の柔いとこがギュンとした。いやこれ少年たちやねんか…少年…。展開とキャラクターの動向で頭がいっぱいいっぱいの隙を突いて何回もしんどいのが来る。ニシハタに喉笛掠め取られる精神的なほうで。語尾が若干吐息混じりなのがポイントなのかな?なんでかな?分からんな?'15ニシハタ、掠れ声は掠れ声でもマジモンの死にかけやったもんな…(ややメタ)

 

 

 

コジマのおやすみ講座が終わり、あの日記少年セリフのあと例のメロディーが流れはじめます。


過去2回自担を赤チームに擁したオタクとしては、バンバン、バン、バンバン、シャキーン!で登場する青チームの格好良さに何度双眼鏡を折り曲げ羨ましがったかわかりません。(勿論赤チームのダンスパートも大大大大大大大大大大好き)ニシハタは仁王立ちで睨みを効かせているけれども、たまに笑ってるときもあった。
これ、赤チームと顔見合わせて何かしているのかなーと疑問に思いました。毎回ニタァとしてるならまだしも、そうではないし。ここに嘲笑うような演技は毎年無いし。前半はちゃんと赤を睨んでいたので。青全員の表情がライトに照らされ、新しいシーンが始まる重要な場面なので想像通りならあまりにも勿体無かった

 


そこからニシハタはほぼほぼオオニシとの対峙なんですけど、まーーーーーーーーー良い。これはもう当てはまる日本語、無い。やっぱりどこかオオニシにいつかのニシハタをみてしまってる自覚はあって、でも今ニシハタと睨み合ってる赤はオオニシなんですよね。オオニシはニシハタと違って序盤から目力が強くって生命力に溢れていて(それが2幕のトア発見シーン以降に大きく変化をもたらす訳だけれど)、その大きな瞳いっぱいに今はニシハタだけを捉えて拳をふるってる。上等のエンドから更に一味も二味も深みを増した目と目の会話(拳もか)でした。

 

♪闇を突き抜けて

ポンポンポン…の音で左手→両てのひらをジッとみつめ小刻みに震えだすニシハタ。その表情には次第に絶望の色が滲んでいきます。そして流れ出す音楽に合わせ、まるで覚醒したかのようにまっすぐ顔を上げ立ち上がります。その表情は眉をひそめ、何かを睨みつけるようで、ひとりもがき苦しんでいる最中にも見えます。

 

西畑:閉ざされた世界

大西:ここに居たくない

 

(個人的)あまりにも感無量なパート割だったため記録。西畑定点と大西定点を交互にやった週があったんですが、曲中の各個人の雰囲気はまあ普段のパフォーマンス寄りだよね〜と思いつつ最後センターに集まってお互いの全身が視界に入った瞬間の連なる逞しさにグッと息を飲みました。数コンマ遅れてぴったりジャストサイズ身長と明らかな骨格の違いにヴッ…となりました。アイドル衣装なら割とペアセットキーホルダーみたいに扱ってしまえる2人が、いざ脱ぐとこう……こうも………っていう………毎年見てる半裸も大西畑には新鮮味があるからそらもう毎年観るよね。オペラで。骨太さんも滑らかデコルテさんもどっちもすき。好きっ

 

 

《入浴、桶ダンスはアドリブ要素なので一旦省略》

 

風呂時間後、和気藹々とした囚人たちの元に看守長がやって来ます。一瞬で静まり返る場。


向井「ニシハタ、出ろ

目を伏せたまま深く溜息をつき、渋々前に出るニシハタ。
ニシハタのベッド下から鋏が見つかった、と告げられます。勿論これは看守長の嫌がらせ、事実無根です。

西畑「なワケないやろ…
そうだよな?と看守に声を掛ける看守長。
福本「はい、確かに。
ニタリとする看守。
西畑「お前なあ…!
看守長から殴り倒されるニシハタ。
向井「なんだその反抗的な目つきは
一方的に執拗に痛めつけられ遂に立ちあがることすら出来なくなったニシハタは、呼吸すらままならないのか這い蹲りながら喘ぎます。
足元に蹲ったニシハタを最早直視していられないのか真下を向くマサカド・フジワラ、余りの理不尽に極限まで顔をしかめながらニシハタの様子を見守るオオハシ・コジマ。
そして立て続けに看守長はオオニシ達の母親が危篤だと告げます。(例年この情報すらも虚偽だったのですが、今作ではこれが真実であったかどうかの確認は出来ませんでした)言葉を失うオオニシと、兄の顔色を伺うトア。精神的にオオニシを追いつめていく看守長は、看守達へ命令し更に他の囚人達へ暴力を振るわせていきます。


向井「ニシハタ、立つんだ
自らでニシハタの顔面めがけ何度も殴りつける看守長。余程ニシハタに何かしらの因縁を持っている様子。
今江「やめてください看守長!このままでは死んでしまいます!
懇願する今江にぴたりと動きを止める看守長。今ここで死なれても面白くない、ということなのか。

立ち去っていくムカイを、ボロボロの両腕で捕まえようと腕を伸ばすニシハタ。当然自力で立ち上がる力の残っていない彼は仰向けのまま倒れ込みます。
そんなニシハタに思わずハンカチを差し出そうとする今江を看守長は勿論見逃さない。虚ろな目のニシハタには今江の姿さえ映っていなかったかもしれません。

 

 

長尾「なんで…
大西「なんでこんな目に遭わなあかんねん…

 

呻くニシハタを目にとめたオオハシは、自分の怪我すら顧みずニシハタのもとへ駆け寄り介抱します。おそらく人一倍心から仲間を大事に思っているキャラクターなんですよね。scene:告白での彼の叫びを思い返しても、そういった周囲への優しさから常に1番を人へ譲り渡してきた過去があったのかもしれないです。

 

西畑「ここにおったら…こんなもんやろ…
ニシハタの目は再び暗く澱んでしまっていました。それを見たナガオは決意を固めます。

 

長尾「ここ出よう…、脱獄しよう!!!

 

長尾「ダイゴだって親父さん探さなあかんねんやろ、こんなところにおったらあかん!

それは不可能だ、と囚人たちが口々に言います。
そこへ一言、

藤原「待て、方法ならある

フジワラの閃きが全員の目に希望の光を生み出します。

大橋「俺もこの刑務所には我慢出来ひんかったんや!
大西「俺は行く…トアを母親に会わせてやりたい
次々に賛同していくメンバー。

 

西畑「やるんやったら…みんなでやろうぜ


ついに自分の力で立ち上がれたニシハタが絞り出すように言葉を発します。この動作、ニシハタの大きな心情の変化と非常にリンクしていて、単純なように見えてかなり深い演技だなと感じました。

 

西畑「赤と青、2つの号が一斉に動いたらアイツらも驚くやろ


そう言ってオオニシの前までよろめきながら手を差し出すニシハタ。
ニシハタの覚悟を感じ取ったのか、力強くその手をとり彼をかき抱くオオニシ。抱きしめた背中をさらにグッと握り拳で押さえます。
ここでおそらくニシハタとオオニシの思いがやっと同じ方向を指しました。このあとすぐバラバラの行動になっちゃうけど…

 

 


脱獄準備を始め、駆け抜け始めた囚人たち。全てが計算通りの看守長は、今宵の嵐が予測されている海原へ彼らが乗り出すための船を港に用意してやれ、と看守たちに命令し去ります。

 

今江「そんな訳にはいかんやろ…!おい、警備の手を緩めるな!
特に囚人たちへ寄り添う素振りを見せていた今江看守が先導を取り、看守長の思惑を阻止しようと、囚人たちを守るためにこの監獄へ閉じ込めようと奮起します。

監獄の出口ゲートの鍵を手に入れた赤青チーム全員は、やっと外の世界を目の当たりにします。そこは辺り一面海の、監獄の南の島でした。呆然とする彼らですが、岬に船を見つけ早速島からの脱出を図ります。
ここまで全てが看守長の掌の上とは知らずに。

 


そして思惑通り、嵐が襲います。荒れ狂った波で身体の半分以上が船体から投げ出されたナガオを見つけたニシハタは、彼を全身で押し戻し、反動で海の中へと攫われていきました。手を伸ばしても彼を掴みきれなかったナガオ。(2幕終盤と完全に被るんですよね…これを思い出すとナガオの手を見ただけでしんどくなるようになりましたつらすぎる…)


それをどこか遠くから眺めている看守長。
今江「早く救助を出さないと…!
向井「あいつらが勝手にやったことだ。それに奴らの流れ着く先は分かっている。あの島だ

 

 

 

向井「運命ってのは面白いよなあ、ニシハタ。お前は真実を知るがいい。あの島で探していたものを見つけるがいい

看守長の半狂乱の笑いと共に、1幕が閉じます。

 

 

*1:坊主 Season1

*2:近年ならダントツでin大阪17

*3:'15.9日生公演において、'15.8松竹座公演の担当台詞が向井⇄西畑で入れ替わり

*4:ホウキを意図的?に持ったまま台詞を発した日もあったそうです。自分の目では観ていないため注釈でメモ